恣意の心臓

標準語を喋る関西人です。独り言。

優しさの行方

優しい人は優しいまま誰よりも早く去っていく

 

この言葉は何の動画か忘れたけど

YouTubeのコメント欄で見かけた。

名言は意外なところに転がっていることがある。

神様だって意外なところにいるみたいにね。

 

私は優しい。

自分で言わないけど。(前文で自分で言ってるけど)

他人によく言われるからきっと優しいのだと。

 

人にはなるべく優しくしたい。

平等に優しくしたいと思っている。

 

理由は簡単。

早く死にたいから。

 

冒頭に書いた名言を信じているから。

優しかったら誰よりも早く去れると信じている。

惜しまれながら死ぬのは贅沢。

だから別にそんなんいらないから

優しい人のままこの人生が終われたら本望。

 

強い人にもなってみたかったけどね

気の弱い私には優しい人くらいが丁度いい。

たまにはいいでしょ

 

私には二つ歳下の恋人がいる。

 

センスが良くていつも私が選ばないような服を纏っている。

見た目と反しお値段は可愛くない。

 

買っては売り、売っては買いでやりくりをしている。

私は割と「そんな布切れにお金はかけられないわ」という思考だったのだが、

セレクトショップへの買い物について行き、彼が試着室から出て来た時。

どう?いけてるやろって目尻が下がっているのを見ると単なる布切れには見えなくなる。

 

確かに高くも安くも布ということには変わりはないが、やはりブランド物や多少高額でも自分の気に入ったものを見に纏うとそれは自信になる。

 

化粧品やネイルもそうだ。

身につけるものは自分の即戦力になる。

 

彼はちゃんと戦い方を知っているのだなと

感心する。

 

恋人のiPhoneケースに忍び込ませた私のプリクラ 。

私が好きそうな映画、私に似合いそうな服

誰よりも私を知ろうと。

 

彼はカルピスが好き それとスナック菓子も

とうもろこしも焼き芋も丸かじりをしたことがないんだって。

イカとメロンは好きじゃないみたい。

 

なかなか私とは正反対なのねえ。

 

だけど私のことを好きでいてくれるし、

私も恋人が好きだから問題ない。

 

わざわざ生活を報告して

どうでもいい話でもいいよ

私はあなたのどうでもいいで出来ている

 

面白い話もいらないよ。そのままでいてよ。

でも乱暴な言葉はやめてね悲しいから。

 

そして、ちゃんと目を見てね

そのあとは

ね、分かるでしょう?じれったいな。

風邪をひいた日

 

私は絵描きではない、物書きでもない。

だけどたまには古着や安く手に入れた洋服ではなくてキメすぎている高い服が欲しい。

 

カッコイイワンピースが欲しい。

できれば明日喫茶店でパフェと紅茶をしばきながら古本を読みたい。

つーか早よ風邪治れ。

 

体温計ひとつさえも貸すことを惜しむ男なんて死んで当然。どうか安らかに。

 

好きな人からうつされた風邪なら本望?

そんなん言ってる奴はうつされてからもう一度その言葉をゆっくり丁寧に言いなさい。

 

たまごがゆがとっても美味しく作れるのよ

誰か風邪ひかないかしら

そしたら私がたらふく食べさせたのに。

 

あらら私が私自身に振る舞ってどうする

 

このベッドは宇宙船、海賊船、浮遊力

目を閉じればプラネタリウム越えて大銀河

海にだって潜れるのよ

おっとあれは花畑。三途の川には気を付けて。

こんにちは、好きな人

でもここは私の妄想 そう走行しながらグッドバイ

 

今はいらない

今はいらない

用があったら呼ぶからお静かに。

 

ふーーーーーっとため息ついて

そうね私は旅人さ!

今は風邪っぴきの旅人さ!!

治るまで良き旅を。今日は何処へ行きましょう。

幸福を待ちわびて

実家に帰った

母、姉、私で1回700円の温泉に行った

 

いつの間にか裸の仲

流石女は強い

 

学生時代だったらこんな話してないだろうなって話も今ならできる

なんなら遠くに居てもまずは姉か母に電話をかける

大人になったのか子供に戻ったのか、

時々分からなくなる時がある

 

普段は水かお茶しか飲まない私

いちごミルクを買って飲んだ

 

いちごミルクの瓶を持つ私のくすんだブルーの爪と夏らしいパキッとしたオレンジを爪に乗せた姉

それぞれの性格がなんだか爪に滲み出てるみたいだった

 

久しぶりに飲んだいちごミルクは信じられないくらい美味しかった

帰りは母の車で家までブーンと

安全運転で!と言わずもがな、な運転っぷり

 

幸せとは。不幸とは。

そんなことばかり考えている私がこの時ばかりは心から幸せだなって思った

一足早い秋が近づいて来たような風に頬を撫でられながら火照った体は心地よく冷めてゆく

 

神様って意外な所にいるみたいに

幸せも案外簡単に落ちているんだね

 

肌寒いから今日は長袖で

お休みなさい

 

 

衝動買いの正しさ

「果物だったら桃が1番好きです!」

 

衝動買いで四つ切りのスイカを買い、

帰り道に歩きながら食べた君は信頼に値する。

 

商店街、火曜日、今日は仕事が休み。

たまたま桃が路上で売られてた。

 

一つ売り、二つ売り、四つ、箱

 

私は桃は好んで食べない。

なぜなら剥くのが面倒だから。

 

だけどあの子の顔が浮かんで

ついつい二個で四百二十円の桃を買った。

 

あの子のことを思いながら買ったから

この桃は誰が食べようとあの子のものだ。

 

袋から出さずにただ転がっている桃。

腐っても君のもの。

ぼくたち勇者!

 

手に入れる時と手放す時、どっちの方が勇気がいる?

 

これは個々によって答えはまちまち

多分これが正解!というものは絶対にない

 

今まで無かったものが有るようになる

今有ったものが無くなる

 

前者の方が聞こえはいいが、慣れるまで受け入れるのが難しく思える。

かといって有ったものが無くなるのは、

 

寂しいね

 

それが物であれ人であれ

一つのターニングポイントになる。

私たちは気付かないうちに何度も何度もそれを経験してその度に心を育んだり壊したりしている。

 

縋るのもダサいけど、簡単に手放してしまうのも虚しいよね。

でも自由自在にそういうことができるのは"それ"が自分のものだから出来るのであって、そうじゃなかったらあっちから何かしらの動きがあるだろう。

 

だから皮肉なことに手放した瞬間に人は

それが自分のものだったのだとやっと気付く。

これは人に限っての話だが。

 

でも忘れないで欲しいのは

どーしようとこーしようと

貴方の勝手、自分の勝手。ほんと好きにして。

 

ちゃんとそれを今まで乗り越えてきたんだから大丈夫だよね、

選ばなかった道ばかり見てしまうけど、結局のところどっちを選んでも同じような結果になるしまたそれも選ばなかった方を見てしまうんだから、どちらに転んでもどうせ歩ける。

 

好きに手放して好きに手に入れて

振り回して振り回されたりしていきましょう

 

僕たち何にだってなれるさ!

記憶と怠惰

 

父方の祖母の背中に揺られながら畑と少し古びた一軒家が並ぶ、車なんてほとんど通らない道で少し高くなった場所から景色を眺めていた。

 

近所の人と時折すれ違い、そのたびに祖母は文字通り立ち話をしていた。私はこっそり聞き耳を立てていた。

 

まず第一声に孫である私を可愛いと褒め、私の話が終わったら天気の話やら作物の話をしていた。ような気がする。

 

私の一番古い記憶だ。

 

今となっては高い建物が並んでいる他人ばかりの街を一人で歩いている。

街にも季節にも匂いがあることを知った。

家で横になっていてもご飯が届く生活にも驚かなくなった7月。

 

祖母にはもう何年も会っていない。

どんな環境で、何を思って生きているのかも知らない。お互いに。

それでもだましだまし息をしてみている。

帰る場所があるから私は何処にでも行ける。

 

また会えたとしても、もう二度と会えなくても。