恣意の心臓

標準語を喋る関西人です。独り言。

例えば人、或いは香水

自分の大切なものを取られた

 

取られたということは元々自分のものだと勘違いしていた図々しさと身勝手な独占欲がずいぶんと働いていたという事だ

本当は初めからなんにも無かった

 

無かったのに欲しがって、自分の物だと思い込み そして手放したと嘆くのだ

 

そもそも本当に自分のものだったら

自発的に「それ」が私の手から離れるなんてことはあり得ない

本来は私が自分の意思で「それ」を手放すのが正しいのだ

 

もう一度言う

それは最初から私のものでは無かったのだ

 

自分のものになるのは自分自身だけ

意思とか体とか思想、それだけ

 

自分自身が自分の手に入っているのに

更に欲深いことに他のものも欲しがる

 

それに気付かず、何度も手を伸ばす

馬鹿だねって叱る人は誰もいない

 

人に効率良くに嫌われるには正論を淡々と述べることが手っ取り早いと聞いたことがある

 

それが無意識に発動してるのか、誰も止めない

誰しも他人に嫌われることを好まないらしい

 

人に嫌われるよりも 

自分に嫌気がさすことの方がよっぽど恐ろしく、取り返しがつかない

 

自分を大切に、と

ひと口に言うがなかなか大切という概念を見つけるのには苦労させられる

 

私の恋人が羨ましい

私と別れることができる

でも私は一生私とお別れできない

(これは私の好きな小説の一節)

 

そんな自分が憎たらしくて

たまらなく愛おしく思うときがある

自分自身を抱きしめることはできないから

他人の手を借りて、私を抱きしめる

 

馬鹿みたいだねホント

ああ、愛おしいね

 

嘘でもそう思いたい